MFコート(機能アルマイト皮膜)
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MFコートの紹介
「MFコート」は、従来のアルマイト皮膜の欠点を解消するために、アルマイト技法を根本的に変えてクラックや表面溶解などを極力抑えた新しいコーティングシステムです。
MFコートシリーズ処理種別
MFコート(S) 【硬質硫酸アルマイト】 |
クラックの少ない、アルミ本来の美しさを保った仕上がりです。 |
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MFコート(C) 【蓚酸アルマイト】 |
黄色に発色しますが、耐食性に優れ、腐食性雰囲気での用途に適しています。 また加工時の面粗さを損なわないので、シート面があるような製品にも最適です。 |
MFコート(S) 【硬質硫酸アルマイト】 |
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クラックの少ない、アルミ本来の美しさを保った仕上がりです。 |
MFコート(C) 【蓚酸アルマイト】 |
黄色に発色しますが、耐食性に優れ、腐食性雰囲気での用途に適しています。 また加工時の面粗さを損なわないので、シート面があるような製品にも最適です。 |
特徴
薄膜10~15μで、使用環境によっては、ステンレス以上の高耐食性が得られます。
また、面粗さも切断加工時の粗さとほぼ変わりません。
主な用途
- 半導体製造装置部品で特に、腐食性の強いハロゲン系ガスに接する部品。
- プラズマCVD内のラジカル反応環境下で使用する部品。
- 空圧部品など耐摩耗性を必要とする部品
- 面粗度など、高精度を要求する部品。
断面SEM写真
一般の硬質アルマイト(約50μm)
MFコート(約40μm)
一般的な硬質アルマイトとMFコートの比較です。
硬質アルマイトのほうはアルミ素地に達する深いクラックが発生しています。一方MFコートにはクラックが確認できません。
またアルミ素地との界面付近の拡大写真においても、その緻密な皮膜構造の違いを確認できます。
MFコートの機能
10μm | 20μm | 30μm | 40μm | 50μm | |
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A1050材 | 0.82kV | 0.98kV | 1.05kV | 1.41kV | 2.55kV |
A5052材 | 1.04kV | 1.33kV | 1.48kV | 1.72kV | 1.96kV |
上記はMFコート(C)蓚酸アルマイトの絶縁破壊性能です。
誘電率の違いから不利といわれる蓚酸アルマイトにおいても比較的安定した数値を得られます。
耐食性能(5%塩酸浸漬)
硬質アルマイト50μm | MFコート20μm | |
---|---|---|
試験前質量a(g) | 11.982 | 11.862 |
試験後質量b(g) | 8.628 | 11.835 |
損失質量a-b=c(g) | 3.354 | 0.027 |
質量損失率c/a×100(%) | 27.99 | 0.227 |
通常では行わない、5%塩酸への32時間浸漬という過酷な試験を行いました。
この試験においてMFコート(C)はわずか20μmという薄膜にもかかわらず、ほとんど侵食されないことを実証しています。
耐摩耗性能
硬質アルマイト | MFコート(S) | |
---|---|---|
試験前重量(g) | 53.6526 | 53.2638 |
試験後重量(g) | 53.6488 | 53.2617 |
摩耗重量(g) | 0.0038 | 0.0021 |
試験片表面積(dm2) | 2.3 | 2.3 |
dm22当りの摩耗量(mg/dm2) | 1.65 | 0.9 |
粗さ性能
この表は、アルマイト処理前のアルミ素材の表面粗さと、アルマイト処理後の表面粗さの測定結果です。
数値はもとより、機械加工時のフライス目が、硬質アルマイトは面溶解やクラックによって再現できていないのに対し、MFコートにおいては規則正しいフライス目が測定できています。
つまり、機械加工時の精度が、そのまま製品に活かされる優れたアルマイト処理といえます。